開業・設備

【デイサービスの利益】損益分岐点分析について

投稿日:2017年9月7日 更新日:

デイサービスの開業をお考えの方や始めたばかりの方の多くが気にされているのがどのくらい売上を上げれば利益が出るのかということです。これは当然の疑問です。利益が出なければ銀行への支払いができませんしご自身に給料を支払うこともできません。

しかし、この手の質問にきっちりと答えているのをあまり見たことはありません。
今回はそんな疑問に答えるために私の「日帰り温泉型デイサービスはつね」(地域密着通所介護、午前午後の2部制)の費用を中心に見ていきながら説明していきます。

固定費と変動費

費用に関しては固定費と変動費に分ける必要があります。
固定費とは売上がいくら上がっても下がっても変わらずにかかってくる費用のことで、下記のように毎月定額支払制になっているものが多いです。給料に関しても毎月定額かかってくるものですが、雇ったり辞めてもらうこともできるので変動費に参入します。

固定費

固定費の代表は賃貸料やリース料です。

賃貸料 210,000円
リース・保険料(車輌2台) 76,000円
雑費(通信費・文具代などなど) 100,000円

 

変動費

損益分岐点計算のキーになる項目がこの変動費です。変動費は固定費とは違って売上に対して比例する傾向があります。もちろん純粋に比例していくわけではありませんが、損益分岐点分析を行うにあたって簡素化します。

人件費 下記参照
水道光熱費 売上×4%
ガソリン代 売上×0.75%

人件費の詳細

人件費は売上に比例すると言いましたが単純に比例するわけではありません。

開業当初でご利用者様が殆どいらっしゃらなかったとしても、毎日最低2名の職員配置は必要です。また、パートさんは時間ごとに給料を払う事ができますが正社員となると月給制となり、一気に人件費が伸びてしまいます。

人件費グラフの前提
  1. 社長は給料を取らない前提で計算しています。
  2. 開業当初は正社員2名(社長含めて3名)体制で行います。営業日は週5日間。この体制でご利用者様5名(120万円)まで売上が可能です。人件費は45万円程度です。
  3. ご利用者様が5名を超えた時点でパート職員を1名確保します。これで売上ご利用者様7.5名(180万円)まで確保が可能になります。人件費は62万円弱となります。
  4. ここまで来たら土日営業を始めます。正社員1名とパート1名(土日のみ)を確保すると毎日7名(280万円)まで売上を上げることが可能です。人件費は93万程度になります。
  5. その後、ご利用者様が8名を超えた頃からお昼前後の5時間パートを1名確保します。人件費は110万円弱となります。

人件費推移

損益分岐点分析

先程の人件費にその他の変動費と固定費をプラスした表になります。
オレンジ色のグラフは損益分岐点を表し、交点が損益分岐点になります。

私のデイサービスの場合は売上87万円が損益分岐点になります。そこからは売上を上げるだけ利益が大幅に増加していく事になり、売上が280万円あれば135万円の利益が出ることになります。最終的な目標の370万円の売上があれば210万円程度の利益が見込まれることになります。

損益分岐点

社長の人件費を考えると

上記の計算には社長が現場に出て無休で働くことを前提に計算していましたが、いつまでも無休ではいられないですし、現場を離れて新店舗開発などに集中しなければならないときも来るでしょう。

その場合は上記の人件費に管理者として25万円~30万円程度を計上して計算しましょう。

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