入ってくるはずの介護報酬を当てにしたのに、思わぬ返戻が発生していて支払いに窮したなんていう経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。
また返戻がたまってしまうと過去の実績をほじくり返すのが面倒になりそのまま請求せずに時効を迎えてしまうなどということになりかねません。返戻にはすぐに対応してタダ働きになってしまったなどということにはならないように注意しましょう。
目次
請求と審査と支払い
そもそも介護給付費は事業所側がサービスを提供した実績をまとめた『請求明細書』と居宅介護支援事業が作成した『給付管理票』を国保連が突き合わせて確認審査をした上で入金されます。
請求と審査はサービス提供日の属する月の翌月に行われ、支払いは更に翌月に行われます。
保留と返戻
請求した介護給付費請求明細書を審査した結果、不備が見つかり支払処理が出来ない
ため、国保連合会から、事業所へ介護給付費請求明細書を戻すことを返戻と言います。
保留とは請求明細書に対して居宅介護支援事業が給付管理票の提出を行っておらず、国保連が請求明細をを預かっている状態のことを言います。
給付管理票が提出されれば支払いされます。なお、再請求の必要はありません。
返戻や保留の通知するのが、審査月の月末から翌月初に国保連合会より通知される請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表となります。
消滅時効
介護報酬の請求に係る消滅時効期間及び時効の起算日については平成13年9月19日付の「厚生労働省老健局介護保険課並びに老人保健課から都道府県介護保険主管課あて事務連絡」によって
①消滅時効期間は2年間
②時効の起算日はサービスを提供した日の属する月の翌々々月
と規定されています。
この時効期間は請求を行った場合での返戻でも請求忘れでも同様に2年間となります。
また、消滅時効完成直前に行った請求が返戻となった場合は、再請求から6ヶ月間延長することができます。
よくある返戻の事例とエラーコード
ここからはよくある返戻の事例とエラーコートを記載していきます。
エラーコードとは請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表に記載される返戻や保留事由を示すコードです。表の一番右端の備考欄に記載されます。
アルファベットと数字で示され、各アルファベットや数字に意味があります。
詳しくはお住いの都道府県の国保連にお問い合わせください。
利用者様の基本情報のミス(QT)
ご利用者様の基本情報のに入力ミスは意外に多いです。
誕生日や性別を間違えるなどのケアレスミスでも返戻になります。
介護保険被保険者番号の入力ミス(PO)
ご利用者様の介護保険被保険者番号のミスも返戻の原因となります。
上記と合わせて、ダブルチェックを行うなどしましょう。
変更申請中の受給者(PA)
介護度の区分変更審査中の場合請求をかけても返戻となってしまいます。
変更後の介護度が決定した翌月に請求を行う必要があります。
※区分変更とは要介護者の状態が変わってしまい現在の介護度とは乖離してしまった
場合に再度介護認定を受けることができる制度です。
生活保護の方の取り下げと再請求
生活保護を受給している方は介護券を取得して受給者情報などを請求書類に載せなければなりません。それが載っていない場合は通常通り利用者負担(1割分)が請求された上で請求が通ってしまいます。
その1割分のみを請求し直す事はできないので、請求の取り下げを行ってから再度請求しなければなりません。
請求の取下げは保険者が行っているので介護保険課に確認してください。
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