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【異業種参入の例】失敗する社長・成功する社長

投稿日:2017年8月6日 更新日:

私は介護事業者向けの金融をやっていたこともありますし、コンサルタントも行っていますのでいろいろな社長に会ってきました。
特に日本最大手のデイサービスフランチャイズ本部と付き合いがあったお陰で、様々な個性の強い社長さんの経営手腕を身近で見ることができました。

私は興味本位で社長がどのような経歴で介護事業やデイサービスを始めたのかについて話聞くようにしていました。
今回はデイサービスの経営者がどのような業界からやってきてどのような実績を残しているのか考えてみましょう。

土建屋や建築会社からの参入

デイサービスというよりも有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のような施設のほうが多いですが、建築関係からの参入は非常に多いです。
特にリーマン・ショック後などの建築不況の時期は多角化のための参入が目立ちました。
建築のノウハウはありますし、建物を自社で作ることができるため開業が非常に有利になると考えるのでしょう。
また、地域の不動産事情にも明るいので良い土地が手に入る可能性も高いでしょう。

ただ、この手の業界から参入した場合失敗している事例が多く見られたように思います。
現に私も数件の新規参入を見てきましたがほぼ失敗に終わりました。

特にこの業界の場合、参入してくる社長は割と年齢が高く、介護のことをほぼ知りませんでした。
それどころか、始めたはいいけれど介護について勉強しようともせずに社長室に閉じこもって報告を聞くだけという方が多かったです。

介護業界で働く方々はモラルや想いを大切にしています。それが社長であろうとです。
その社長たちが事業に失敗したのは現場に出ることなく偉そうに職員たちを扱おうとしたため職員たちがついてこなかった事によると思います。

土建屋の体育会のノリと介護業界の違いが理解できなかい社長の成功はないでしょう。

飲食業界からの参入

ワ○ミが介護に参入した当時、飲食店に介護が務まるものがと、否定的な意見が目立ったように思います。
確かに飲食業と介護はほぼ関係がないともいえます。
私もそれほどうまくいかないと思ってみていましたが、ワ○ミは次々と有料老人ホームをオープンさせ、全国展開していきました。

その後宅配食にも参入しています。
結局本業の不振によって介護事業は売りに出されてしまいましたが、最後まで黒字を出す有益な事業でありました。

ワ○ミの成功が世間に知れ渡った頃から飲食店経験者がデイサービスを始める例が増えてきました。まさにワ○ミで働いていた人たちが続々とデイサービスを始めた時期もありましたので、何かワ○ミのOB会か何かが斡旋しているのでは、と思ったこともありました。

結果から申し上げると飲食業界経験者はうまくいくことが多かったです。

私なりに分析しますが、飲食業界は人材の配置がたいとで少ない人数でサービスを提供することに慣れています。
また、原価計算やコストに対する意識が非常に高く支払うお金について1円単位で把握している社長もいました。

そして何より、社長が死に物狂いで働くことに慣れていることも大きな武器になっていたように感じます。
飲食店で働いていたときより何倍も楽だよと、朝から晩まで、送迎から入浴、食事の用意までなんでもこなしてしまうのです。

私はブラック企業を肯定することはありません。
この世からなくなってほしいと思っていますが、そういった企業で育ってきた人間はとてつもないスーパーマンになっていることが多いです。
もしかしたら彼らが介護業界を引っ張って行く未来が来るかもしれません。

介護サービスからの参入

訪問介護事業所の法人がデイサービスに参入してくることは結構多かったです。
職員の共有ができるので一定の相乗効果はあるでしょう。
訪問を利用しているご利用者様をデイサービスに呼ぶこともできるかもしれません。

ただし、訪問介護は初期コストがほとんどかからない事業のため、同じようにデイサービスの初期コストをケチったため競争力のあるデイサービスが出来上がらずに結局撤退してしまった事業所もありました。

私は訪問看護ステーションなどもどんどん参入してくるべきだと思っています。
デイサービスにとって看護師の確保はとてもむずかしい課題です。
看護師を確保していれば中重度ケア加算なども取得できますし、ケアマネジャーへの訴求力も強力です。

 

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