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【入浴の歴史】神事としての沐浴から現代の高齢者の入浴事情まで

投稿日:2017年9月16日 更新日:

入浴の歴史

pen_ash / Pixabay

私の運営しているデイサービス「日帰り温泉型デイサービスはつね」の特徴はとにかく短時間で入浴サービスを受けて帰ることができることです。うちにいらっしゃるご利用者様は根っからのお風呂好きの方が多く、昔の銭湯の思い出話をよくされます。ご利用者様同士で昔の銭湯友達だったなどという出会いも珍しくありません。

今回は入浴の歴史を振り返り、これからの高齢者の入浴を担うであろうデイサービスの役割について改めて考えてみたいと思います。

入浴の歴史

入浴の歴史は仏教の沐浴から始まったと言われています。6世紀ごろに仏教とともに伝来した沐浴とは仏に仕える前に汚れを洗い流しておくための行為のことで当時の寺院ではお参りする前に沐浴を行ったそうです。

鎌倉時代には武士や武家などの上流階級の邸宅には浴室が備えられるようになっていました。その頃でも入浴は宗教的な意味合いは強く、源頼朝が後白河上皇の冥福を胃の売るため100日間の施浴を行ったことが知られています。

庶民に入浴が広まったのは室町時代と言われ、裕福な地主が小作人を呼んで入浴後に酒や食事を振る舞ったという記録が残っています。

庶民が利用できるような銭湯ができたのは江戸時代の初期だと言われています。もちろん内風呂なんてものは殿様や上級の武家にのみ合ったものでした。

浮世風呂一ト口文句(江戸時代の風呂)

出典:江戸ガイド

銭湯は基本的に蒸し風呂(ミストサウナのようなもの)の中でタオル片手に垢を落とし、最後にかけ湯を行って終わりというスタイルでした。
そのうちに戸棚風呂と呼ばれる半身浴のようなスタイルが流行し、江戸後期には肩まで浸かる据風呂が登場しました。

ちなみに江戸時代の銭湯は混浴であったという話を聞いたことがあると思いますが、風紀の乱れにより禁止令が何度も出されましたが人々は好んで通ったようで完全になくなったのは結局明治期でした。

煙突があって、タイル張りの床に洗い場が個々に用意され、大浴槽が備え付けられるという今の銭湯のスタイルが確立したのは大正に入ってからでした。また、昭和に入るとサウナや泡風呂などを備えた銭湯が登場し、庶民の憩いの場として確たる地位を築いていったのでした。

銭湯激減

平成に入って皆さんの周りでも銭湯が減ってしまったのを感じませんか?50年も前であれば1つの町内に2つは銭湯があったものですが、今では30分歩かないと銭湯に行けないなんて話をよく聞きます。

一般公衆浴場は平成元年に12,200件を数えていましたが、平成27年には4,000件程度に減ってしまいました。実にこの30年間で3分の1になってしまったことになります。

平成になって新築の一軒家のみならずマンションやアパートでも風呂付きが当たり前のようになりました。若者はわざわざ銭湯に行くのを面倒くさがり、銭湯の利用者数は著しく減少していきました。
また、銭湯を好んで利用していた高齢者は体力の衰えや病気などによって銭湯に行くこともできなくなっおり、今後も銭湯は減り続けることが予想されます。

高齢者の入浴

高齢者による入浴中の死亡事例がどのくらいあるかご存知でしょうか。死亡事例は入浴中の溺死や転倒などによる事故と脳卒中などの病死がありますが、両方合わせると毎年11,000人程度が入浴中になくなっているのです。

高齢者以外の死亡数が2,000名ですので圧倒的に高齢者の割合が多いことになります。
また、死亡に至らなかったとしても転倒による怪我や脳梗塞などによる麻痺などが残り、要介護状態に陥ってしまった事例を含めると相当の数の方が入浴中の事故によって人生を狂わせていることになります。

入浴時の危険性

  1. 寒暖の差で血圧が下がる
    血圧の低下により意識消失が起こり転倒や溺死の可能性があります。
  2. 床が滑りやすく堅いタイルでできている
    床が滑りやすく硬いのでちょっとした転倒で大怪我を追ってしまう可能性があります。
  3. 浴槽のヘリが高く躓きやすい
    浴槽に入ろうとしたが足が上がらず縁に足を取られて頭から転倒という事故はとても多いです。

入浴におけるデイサービスの役割

在宅の要介護者の入浴を担っているのは下記の3つのサービスです。

  • ヘルパーによる自宅での入浴介助
  • 訪問入浴
  • デイサービスでの入浴

この中でもデイサービスの担う役目はとても大きいと思います。家庭の風呂は介助を考えて作られていません。狭い浴室の中でヘルパーがうまく入浴を行うのはとても負担がかかります。また、訪問入浴は居間で浴槽にお湯を溜めるため、広い居間がなくてはなりません。
やはり今後の要介護者の入浴を担うのはデイサービスです。
そして、これから要介護になってくる団塊の世代は温泉や立派な内風呂に慣れており、入浴介助に対するハードルはどんどん上がってくるはずです。
そのためにも入浴設備が充実した入浴特化型のデイサービスが必要とされています。

私のデイサービスでは温泉旅館を模した浴室を作り、職員が一対一で30分もかけて入浴サービスを行っています。これはこれまで見てきたように日本人にとって入浴は単なる清潔保持以上の意味があるからです。入浴は生活に密着したある意味宗教の神事的な意味合いがあるものだと思っています。
これからも入浴で要介護者を幸せにするデイサービスで有りたいものです。

 

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