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【デイサービス30代経営者の投資】沈没船サルベージ

投稿日:2017年12月5日 更新日:

私はもともと小さな専門金融サービス業者に努めていたり、父親が海外を含めた市場を通さない投資案件に数多く投資していた事もあって、比較的若い頃から色々珍しい投資を経験してきました。
株や投資信託などの一般的な投資に関してもそれなりに経験しましたが深く興味をひかれることはありませんでした。

デイサービスの経営と言う自分の事業に投資をしている身としては、株や投資信託などの投資では物足りないということなのでしょうか。
私が興味をひかれる投資はリスクもリターンも高いものばかりです。

これから何回かに分けて、私が経験した珍しい投資についてお話していきたいと思います。
今回は「沈没船のサルベージ」です。

沈没船のサルベージ投資のきっかけ

私の父親は株式会社日本航空に勤めていたのですが、48歳の時から8年間インドネシアの子会社の社長を勤めていました。2000年台の中盤頃、学生の終わりから社会人になりたての私はよく遊びに行っていました。

当時のインドネシアは東ティモールの独立問題が顕在化しており2002年にはバリ島で200名以上が無くなる爆破テロが起こったりと治安は最悪でした。経済的にも貧富の差が激しく、富は一部に集中する一方首都のジャカルタでも物乞いの子どもたちがいました。
私の父親も政府関係者と仕事をすることが多かったそうですが、同然のように賄賂を要求されその代わりに便宜が図られるというような習慣が蔓延していたようです。

さて、そろそろ投資の話をしましょう。私が大学3年生のとき長めの夏休みを使ってインドネシアで父親と暮らした時の話です。
父親のつてでインドネシアで暮らしている様々な日本人と知り合いになりました。その中に沈没船ハンターの佐藤さん(仮名)がいらっしゃいました。

佐藤さんは元々日本の商社に勤めていたのですが、インドネシアの魅力に見せられてから会社を辞めて20年も現地に住んでいました。顔や全身は浅黒く焼けて、現地の人と言われてもわからないような出で立ちでした。
沈没船のサルベージを始めたのは10年ほど前で、最初は自分の資金で引き上げていたのですが中々お宝に巡り会えず最近では日本の企業を回って資金を出してくれるところを探していました。

インドネシアは大航海時代にヨーロッパからの交易船や海賊船などが大量に行き来していました。その中にはインドネシア海域で沈没したものも多く、金銀財宝を載せたままの船が海の底に眠っていると言われていました。
中には数百億円規模の宝石を載せたと言う記録のある船もあると言われていました。
そんな沈没船に夢を見た男たちを沈没船ハンターと言うのでした。

近年のソナーは精度が高く、かなり正確に沈没船の位置を把握することができる様になっているそうで、1隻の沈没船を1,000万円程度で引き上げることが可能でした。
父親が仕切る現地法人の経営はとても良好で潤沢な資金があったので、3隻ほど引き上げてみようという話になりました。
私も面白そうだと思い、その時は帰国を遅らせて現地で引き上げを見守ろうと思いました。

いざ、引き上げ

引き上げる沈没船は佐藤さんが目星をつけた3隻で中世のオランダ籍の船で交易中に沈没したものでした。
引き上げまでの期間にダイバーが潜った写真を見せてもらったり、以前に引き上げられたお宝を展示している博物館を見に行ったりしました。
余談ですが、国宝級の財宝が見つかってしまうと没収されてしまう事があるのでとんでもないものが発見されると逆に損をしてしまうこともあるようです。

さて、残念ながら天候の問題から引き上げが延期されてしまい、引き上げの当日、私は帰国していました。
父親は引き上げに立ち会い、船の積荷に取り出しにも立ち会ったそうです。大量の茶器が次から次へと出てきたそうで、とても興奮したと言っていました。
結局、総重量500kgほどの茶器が発見されたそうです。

鑑定の結果は?

大量の茶器はすぐさま鑑定所に送られ、約1ヶ月後鑑定結果を持って佐藤さんがやってきました。
私もそれに合わせてジャカルタを訪ねていました。

佐藤さんは暗い面持ちで『結論を申し上げますと全ての茶器の鑑定結果は合計25万円ほどになりました。残念です』と伝えられました。
な、なんと3000万円も支払って引き上げられたものが25万円とは・・・

私もがっくりしたのですが、それ以上に父親の悲しげな顔をしていたのを忘れられません。
まあ、会社のお金がほとんどなのですが。

実はこの話には後日談が2つありました。
一つ目は私達が引き上げた10日後に引き上げた船から財宝が発見された事がわかりました。
財宝の換金額は百億円を超えたと言われています。
もし、この船を狙っていたらと思うと残念でなりません。
距離も10km程先に沈没していた船だったそうです。

私も知らなかったのですが父親は諦められず、後1隻の引き上げを行っていたのです。驚きでしょうが1000万円支払って再度サルベージにチャレンジしていたのです。
おそらく上記のお宝船の話を聞いた父親の血が騒いだのでしょうが、よくやるなぁと呆れたものです。
まあ、この書き方でわかると思いますが、引き上げた沈没船からお宝は出てきませんでした。

 

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