今回は2件来ていたご質問に一気にお答えするような記事になります。
内容の共通点は「本当に必要な業務なのか疑問だが、管理者や上司から強制されており困っている。どうにかやめられないか」といったものです。
現場の悲痛な声が聞こえてきそうな議題ですね。
事実、多くの方が無駄な業務のせいで残業を強いられていたり大きなストレスを抱えているのを私も見てきました。
こういった無駄ではないかという業務をなくしたいのであれば下記の観点で考えてみてください。
- ご利用者様の希望や利益になるものか、法律上必要なものか考える
- 何故なくせないのか原因を分析し、メインの関係者と調整が取れるか(権限があるか)確認する
- 業務をなくすのであれば自ら計画を自ら立て、周知し、実行し、アクシデントに備える
実際にいくら無駄のことであっても今やっている業務をなくすのは想像以上に抵抗があります。
本当に業務をなくしたいのであれば心して取り掛かりましょう。
では、質問に答えていきましょう。
送迎時のベッド移乗
まず一つ目のご質問は小規模デイサービスで送迎を担当されている方からです。
”あるご利用者様は団地の5階にお住まいです。その方のお迎えの際はご自室までお伺いしてベッドから車椅子への移乗、お送りの際もベッドまで移乗させなければなりません。
これを行うと10分以上時間をロスしてしまい、前後の送迎に支障が出てしまいます。
管理者にヘルパーをつけるように言っているのですが、全然改善されません”
これもデイサービス送迎のあるあるですね。
この方だって時間が存分にあればやってあげたいとお考えなんだと思いますが、管理者は送迎者をどんどん詰め込んでくるし、遅れたら文句言われるし・・・切実な悩みだと思います。
さて、この問題に関しても上記を使って考えてみましょう。
まず、この業務はご利用者様にとって利益のあることですが、法律上は行う義務はありません。
なぜこの業務を行い続けているのかがこの問題のポイントだと思いますが、考えられることは『管理者がケアマネに対して何らかの理由によってヘルパー導入の依頼をしていない』
もしくは『ご利用者様自身がお金の問題などでヘルパーを導入を拒否している』のどちらかだと思います。
これを解決するとなるとケアマネやご利用者様のお金の問題に関わることなので、送迎担当者が個人で動ける内容ではないでしょう。
やはり管理者にヘルパー導入の必要性訴えて、ケアマネを通して依頼してもらうのが懸命な判断だと思います。
その際には送迎表にご利用者様ごとの遅延してしまう時間を記したものを渡して、重要性を伝えましょう。
頻回なアセスメント
続いての質問ですが、大規模デイサービスの生活相談員の方からです。
”ご利用者様の状態に特段変わりがないのに3ヶ月毎に必ずアセスメントの撮り直しを求められ、その負担で業務に支障が出ている”
これもよく聞く話ですね。
アセスメントに関しては必ず3ヶ月おきに取らないと行けない決まりはありません。
ご利用者様になにか変化があるなど必要時にアセスメントを取ればいいのです。ですから、逆にヶ月経たずにアセスメントが必要になることもあるということです。
ここで、なぜこのようなルールになっているのか考えてみましょう。
私が推察するに、大規模のデイサービスには100名を超えるご利用者様が登録されています。
必要があればアセスメントを取るなどと言ったルールを運用していると、誰のアセスメントをとったのか管理しきれなくなりそのうちになあなあになってしまうという危惧があるからではないでしょうか。
そのため3ヶ月といった決まりを作っているのではないでしょうか。
しかし、このまま不必要な業務を行っていては現場が回らないのでは元も子もありません。
3ヶ月おきにアセスメントを取り直すべきか議論し、必要であればアセスメントを取り直すルールに変えてみるのはいかがでしょうか。
また、全てのアセスメントを作り直す必要はなく、必要な部分だけで十分です。
ただ、更新したデータがいつ更新されたのか、以前の内容はどうであったのか、更新履歴をつけておきましょう。
ワードやエクセルには変更履歴という機能がありますので使ってみてはいかがでしょうか。
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