経営理念や企業理念、社是やクレドなど会社の考えや方向性を示す言葉はたくさんあります。
起業前や企業当初にこういったものを決める必要があるということはよく言われるでしょう。自称コンサルタントや銀行員、フランチャイズの本部などが講釈をたれながらその重要性や作り方などを教えてくれるでしょう。大企業の例を出しながら。
ただ、理念がお金を運んできてくれるわけでもないですし、優秀な社員になってくれるわけでもありません。果たしてこんなものを作って意味があるのでしょうか。
理念=社長そのもの?
実際数年間会社を経営してきて思うことですが、素直な気持ちを表しているのであれば自ずと経営の方向は理念に沿って進んでいきますし、体のいいことを書き連ねているだけであれば理念なんか無視して会社は進んで行くだけです。
私の運営している『日帰り温泉型デイサービスはつね』の理念は感謝から生まれる優しさと誠実さと謙虚さです。感謝から生まれる感情や結果は全て素晴らしいものです。特にたくさん感謝できる人は謙虚になれる人という考えは学生時代から私自身の戒めとなっていた大切な考えです。
実はこれの前に様々な案がありました。「地域医療と介護と結びつける女神となる」などがありましたが、自分の根本的な考えや性格を表すものでないと結局意味がないかなと思いやめました。
つまりいくら体のいい企業理念を作っても結局なんの役にも立たずに忘れ去られてしまいます。自分の信念の根本にあるもの、何かを考える際に必ず頭に思い浮かぶ拠り所みたいな物、それをそのまま言葉にすればいいのです。
経営理念は後世のため
経営理念は自分以外の社員にとっては私の根底的な考え方を知ってもらえる機会になると思っています。日々全ての判断を私がすることは不可能ですので、些細な判断は社員が行っていますが、その際の判断基準となるのです。
また、いつの日か私が経営から外れるときも必ず来ます。そのときに会社が変わってしまわないように全社員に理念を植え付けて置くことも有効です。
ちなみに私が金融関係の事業で使っている事業指針には「利益が出たとしても悪い人の手助けはしない」と言うものがあります。これは私の根底的な価値観から生まれた考え方で、従業員に徹底しています。従業員に対してブラックな会社や(私以外の)人を見下すような態度を取る社長にはうちにどんな利益があろうと(たとえ損失を出そうと)、お金を融通しません。
まとめると、経営理念は社長そのものです。社員に自分の考え方や判断基準を与えるために作るのです。ですから経営理念は自分の根底的な価値観や考え方を素直な気持ちを人にわかるように説明するつもりで作りましょう。
以下にデイサービスの理念、指針について解説していきます。
経営理念
会社全体として介護に関してどのように捉えていて、社会でどのように役立って行きたいかなどを表現します。この事業を何故選んだのか、根底的な価値観や考え方を自問自答してみましょう。
素直な気持ちでいいと思います。デイサービス以外の事業も行っている場合は今後参入する予定がある場合は、デイサービス限定で理念ではなく介護事業全体を通じての理念をたてましょう。
介護事業以外も視野に入れているなら更に大きな枠組みで考える必要があります。
デイサービスの事業指針
どのような人に向けて、どのような介護を行っていきたいのか。利用してくれた方はどうなって欲しいのかを考えましょう。
すなわちデイサービスの特徴や売りを一言で表してみましょう。
また、他のデイサービスとの違いを表すことも大切です。
職員の行動指針
職員が日々の仕事に忙殺されているときに思い出して貰いたいことを入れていきましょう。
手のかかるご利用者様を目にすると誰もが嫌な気持ちになるのは仕方ありません。そんな時どのような思いになってお世話をしてもらいたいのかです。
また、職員を縛るものばかりではいけません。職員を会社がどのように大切に思っているかも入れるべきです。社員あってのご利用者様の満足なのですから。
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