機能訓練

【要介護者の歩行様式】杖歩行から歩行介助まで

投稿日:2017年8月5日 更新日:

高齢者になると、足腰が弱くなったりバランスが取れなくなり普通に歩行することが困難になってきます。
そうなると杖や歩行器を利用するのですが、かなりの方が間違った使い方をしていることに驚きます。
間違って使用していては逆に危険になってしまいます。

そのまま歩行を続けてしまうと転倒などのリスクが伴い、最悪寝たきりになってしまう可能性があるので、しっかりと器具の使い方や介助の仕方を覚えて指導しなければなりません。

ここでは様々な歩行様式を学び、ご利用者様の歩行の安定につなげていただければと思います。

杖歩行

杖は支持基底面を増やし、歩行を安定化させる道具です。杖は持ち運びも楽なので、多くの利用者が使って歩行されています。
杖にも種類があります。

杖の種類

T字杖

一般的な杖の形状です。

四点杖

T字杖の先が四点に別れているタイプの杖です。四点で支えるので安定性が増しますが、接地面積が広いので、狭い通路や階段では逆に安定性を失います。

クラッチ(松葉杖)

脇で抱えて使う杖の種類です。外科手術後などによく使われる杖です。両手で使うと片足を完全に浮かした状態で歩くことができます。

正しい杖歩行

杖を持つのは患側(麻痺のある方)です。
杖の高さは手を降ろしたときの手首の位置と言われています。
杖の握り方は人差し指を1本出して握ります。
杖をつくときは爪先の15cm先、15cm外側につきます。

介助者は杖とは反対側の後ろ側からついていき、バランスを崩さないように注意しましょう。

杖歩行の種類

①三動作歩行

杖、患側の足、健側の足の順番で前に出して歩行します。杖歩行の初心者はまず三動作歩行から始めます。

②二動作歩行

杖と患側の足を同時に出し、次に健側の足を出して歩行します。三動作歩行に慣れたら二動作歩行に移行していきます。

③四動作歩行

松葉杖(両手)で使われる歩き方です。左杖、右足、右杖、左足と杖と足を交互に出していく歩き方です。

④大振り歩行

両足に麻痺があり、松葉杖(両手)で使われる歩き方です。両方の杖を同時に前に出し、次いで両足を振り上げるように杖の前に出して歩行します。

歩行器

4足のフレーム構造で、両手でアームを持ち、四点で支えるため安定性が強いです。立位が安定しない方でも利用できます。

歩行器での歩き方

肘が軽く曲がり、少し前傾姿勢になるように高さを調整します。
歩行器を持ち上げて歩幅と同じくらい前につきます。歩行器を前に出しすぎると前のめり転倒につながりますので注意します。
その後は三動作歩行と同様に患側、健側の順番で歩行します。

また、歩行器には形状の違いから下記の4つの種類があり、それぞれに適した歩行方法があります。

歩行器の種類

①固定式歩行器

歩行器の全体が固定されているタイプ

②交互式歩行器

歩行器の左右が別で動く構造になっているので、片方のアームを前に出したら反対側を出して歩行することができる。四動作歩行を使って歩行します。

③キャスター付き歩行器

構造は固定されていますが、足の先にキャスターがついているので、そのまま押しで歩行することができます。

④シルバーカー

キャスター付き歩行器に荷物入れをつけて買い物に出かける方用に作られた歩行器です。買い物かご部分が椅子になるタイプもあります。歩行方法はキャスター付き歩行器と同様です。

歩行介助

寄り添い歩行

介護者が高齢者の横に立ち、一緒に歩行する介助方法です。
寄り添う形で相手の脇に腕を差し込み、もう一方の手で相手の手を握ります。お互い前方を向けるため、長い距離を移動するのに適した介助方法です。
手引歩行に比べてバランスを崩しやすいので、要介護者の足取りなどバランスに注意してください。

手引歩行

手引き歩行介助は要介護者の前にたち、お互いの肘の下あたりを掴みあって歩く介助方法です。

介護者は後ろ歩きになるので注意してゆっくり歩きます。要介護者はバランスを崩しやすいのでしっかりと支えながら歩行しましょう。

 

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