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【デイサービスのリハビリ知識】麻痺の起こる疾患一覧

投稿日:2019年5月1日 更新日:

デイサービスにいると多くの方が麻痺を患っていますが既往症を見てみると様々な疾患が見られると思います。
その疾患を知っておけばどのような症状が出やすいのか、どのようなリハビリが効果的なのか知ることができます。

今回は麻痺を起こす原因となる疾病をまとめましたので、参考にしていただければと思います。

脳卒中

脳卒中は麻痺を誘発する原因として最も多い疾病です。リハビリが必要な高齢者の大半がこの脳卒中によるものです。
脳卒中は脳へのダメージの与え方によって『くも膜下出血』『脳出血』『脳梗塞』に分かれます。

くも膜下出血

脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜で覆われていますがくも膜と軟膜の隙間はくも膜下腔と呼ばれ、くも膜下腔で出血を起こした状態を言います。
40代以降の男性よりは女性に多く見まれ、脳動脈の一部が膨らんでできた動脈瘤が破裂することによっておこることが大半です。

頭を殴られたような激しい頭痛がある場合、くも膜下出血の可能性が高いといわれています。

脳出血

脳出血とは何らかの原因により脳内の血管が破れることによって出血を起こす病気です。
血管からあふれた血液は血種といわれる血の塊となり脳に直接ダメージを与えたり脳を圧迫することで様々な障害を生じさせます。

出血する脳の部位の割合は下記のようになっており症状もそれぞれ違います。

  • 被殻出血
    脳出血で最も多い症例です。頭痛や片麻痺、顔面神経麻痺が多く見られます。
  • 視床出血
    脳出血の30%ほどを占める部位です。症状は被殻出血と同様です。
  • 皮質下出血
    頭痛や嘔吐、半盲、片麻痺が見られます。
  • 小脳出血
    頭痛や嘔吐、運動失調が見られます。
  • 橋出血
    頭痛、意識障害、四肢麻痺、外転神経麻痺が多くみられる。

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脳梗塞

脳の血管が詰まることによって血の巡りが低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足になり、脳の細胞の一部が死んでしまうのが脳梗塞です。
脳卒中の4分の3を脳梗塞が占めているほど多い病気です。
脳梗塞は血管の塞がれ方によって下記の3種類に分かれます。

  • アテローム血栓性梗塞
    脳の太い血管の内側にドロドロのコレステロールの固まりができ、そこに血小板が集まって動脈をふさいでしまうもの。
  • ラクナ梗塞
    脳の細い血管に動脈硬化が起こり、詰まってしまうもの。
  • 心原性脳塞栓症
    心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさいでしまうもの。

脳梗塞で多い症状は片麻痺や失語症、嚥下障害など様々な症状が現れます。

脊椎系の疾病

脊椎には運動神経が通っていますので、様々な疾病により刺激や圧迫を与えることによって麻痺の症状が出てしまうことがあります。
脊椎には1cm程度の幅の中に左右の運動神経が通っていますので、損傷の部位や大きさによって単麻痺や両麻痺、四肢麻痺などの症状がでることも珍しくありません。

  • 変形性頚椎症
    首の骨や靱帯などが変形して神経を圧迫
  • 椎間板ヘルニア
    首や腰の椎間板が飛び出て神経を圧迫
  • 後縦靱帯骨化症
    脊髄の前にある後縦靱帯が骨のように硬くなり、増大して神経を圧迫
  • 腰部脊柱管狭窄症
    腰の靱帯が厚くなったり骨がずれたりして、神経の通り道が狭くなる 脊髄の腫瘍や炎症、先天奇形、血管の奇形

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺とは顔の筋肉が動かなくなる疾病です。顔面麻痺は脳卒中によるものである場合は他の症状の合併症として現れますが、顔面麻痺のみの症状が出るのであれば、末梢神経に原因がある場合が多いです。

症状は片側の目が閉じない、瞼が下がる、口が動かしずらいなどが見られます。

脳性まひ

脳性麻痺とは妊娠中から生後1か月の間に起こった脳損傷が運動性麻痺となった場合を言います。
介護保険では特定疾病に含まれており65歳になってから介護保険を利用することになることが多く、それまでのサービスの質や量が担保されないという問題(65歳の壁問題)があります。
脳性麻痺の程度は硬直的なものが多く、進行性疾患や一過性の運動障害、回復するような状態は脳性麻痺には分類されません。1000人の出産に2件ほど脳性麻痺が発生しています。
症状はアテトーゼ型、痙直型、拘縮型、失調型、混合型などに分類され、下記の症状がみられます。

  • 四肢の麻痺
  • 体の震え
  • 手足の不如意運動(ばらばらに常に動く)
  • 知的障害や視覚障害を併発
  • 転換の併発

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは体を作る設計図である『遺伝子』の変異の影響により筋肉が壊れやすくなり再生しにくくなってしまう症状(ジストロフィー変化)を持つ、疾患の総称をいいます。
症状は筋力の低下や筋委縮によって麻痺がおこるが、末期には筋肉だけではなく内臓などに影響を及ぼすことも多い。
関節拘縮・変形、呼吸機能障害、心筋障害、嚥下機能障害などを併発します。

最も多いのはデュシェンヌ型筋ジストロフィーで進行性筋ジストロフィーの大部分を占め、10歳代で発症することが多いです。

パーキンソン病(症候群)

人の体は大脳皮質から筋肉へ指令を伝えることによって動くことができます。
その指令をスムーズに伝えるために使われているドーパミンというホルモンが減少している状態をパーキンソン病といいます。

パーキンソン病の4大症状は下記です。

  • 安静時に手足が震える
  • 手足がこわばる
  • 体の動きが少なく遅くなる
  • バランスを崩し倒れやすくなる(姿勢反射障害)

また、手足のこわばりや震えは脳梗塞などによる麻痺によく似た症状として現れることがあります。
こういった疾患をパーキンソン症候群といいます。

 

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